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不動産公開日: 2026年8月1日

バリの土地は誰のものか - 外国人急増と地価高騰で揺れる地元の暮らし

チャングーなどバリ各地で地価が急騰し、地元の若者が自分の故郷に土地を持つことが困難になっている。2026年1月時点で27万人超の外国人がバリで滞在許可を保有し、名義貸し(ノミニー)による土地取得も問題視されている。新条例で規制強化が図られるが、実効性が課題。棚田の減少や言語・文化の継承にも影響が及んでいる。

バリ島チャングー地区では、以前は約12億ルピア(1are=約100㎡)だった土地が、現在では25億ルピア程度まで高騰している。地元で働く若者の平均月収は300万〜500万ルピア程度であり、給料を全て貯金しても土地購入には非現実的な年数がかかる状況だという。

2026年1月時点で、バリ島には27万人以上の外国人が滞在許可を保有しており、2年前と比べほぼ倍増している。観光目的の短期滞在者だけでなく、ヴィラを借りて長期滞在したり、リモートワークをしながら生活する外国人も多い。国家土地庁の記録では、外国人が「使用権(Hak Pakai)」制度を通じて合法的に取得した土地区画も数百件に上る。

一方で問題視されているのが「ノミニー」と呼ばれる名義貸しの慣行だ。土地の登記名義はインドネシア人のままだが、実際の資金と支配権は外国人にあるというもので、最高裁判所はこの慣行を違法と判断している。バリ州は2026年に第4号条例を制定し、違反者への刑事罰を規定したが、書類上は合法に見える取引の実態を証明することは難しく、多くの場合、紛争が起きて初めて発覚するのが実情だという。

こうした土地取引の背景には、水田の急速な減少もある。2019年から2024年の間に、バリでは6,500ヘクタール以上の水田が失われた。これは同時に、ユネスコ世界遺産に登録されているバリの伝統的灌漑システム「スバック」の縮小も意味する。水田は単なる稲作の場ではなく、儀式の場でもあり、地域社会と自然との関係を何世代にもわたって支えてきた場所でもある。

さらに、若い世代がバリ文字を読めなくなったり、日常会話でバリ語を使わなくなったりする傾向も指摘されており、ウダヤナ大学の研究者はこれを「バリ性の危機」と呼んでいる。

記事は、外国人や土地を売却した地元住民個人を責める意図はないとしつつ、地価高騰と水田の減少が続く中で、制度がバランスを保てていない現状に警鐘を鳴らしている。新条例は評価すべき一歩だが、法執行や監視、地域コミュニティ(デサ・アダット)の関与がなければ実効性を持たない可能性があるとしている。

考慮すべき事項

バリでの土地・不動産購入や長期居住を検討する場合は、「Hak Pakai(使用権)」など外国人に認められた正規の制度を利用し、名義貸し(ノミニー)契約には関与しないこと。土地取引の際は必ず現地の資格を持つ弁護士・公証人(ノタリス)を通じて権利関係を確認し、契約書の内容を精査する。移住・投資を検討する場合は、地域社会(デサ・アダット)や地元コミュニティとの関係を尊重し、地価高騰や環境負荷が地元住民に与える影響についても理解を深めておくことが望ましい。

情報源: BaliNews.id