インドネシア移民局長、外国人による偽装結婚・土地取得や国際犯罪組織の関与を指摘
インドネシア移民総局長は、外国人が絡む偽装結婚(カウィン・コントラック)を通じた土地取得、麻薬密売、人身売買、サイバー詐欺などが組織的なマフィアネットワークによって行われていると明らかにした。移民局はこれに対し、選別的な入国審査(セレクティブ・ポリシー)を強化し、質の低い観光客を排除する方針を示した。
インドネシア移民総局(Ditjen Imigrasi)は2026年9月14日、テレビ番組「Abraham di Nusantara TV」にて、外国人が関与する犯罪行為が組織的なマフィアによって計画的に行われていると発表した。ヘンダルサム・マラントコ移民総局長によれば、代表的な手口の一つが「偽装結婚(kawin kontrak)」であり、外国人がインドネシア人と偽って結婚することで、法律上外国人には認められていない土地の取得・購入を実現しているという。
このほか、麻薬密売や人身売買(TPPO)、ジャカルタのハヤム・ウルック地区でのサイバー詐欺(スキャム)、バタム島でのオンライン賭博・違法カジノなども摘発対象となっている。多くの被害者が国外にいるため通常の刑事立証が難しく、移民局は「入管法違反」という切り口で摘発する“第二の網”としての役割を担っているとした。
移民局長は、こうした強硬な取り締まりが一部勢力からの反発や中傷、いわゆる「ロンド・イレン(Londo Ireng)」現象――外国勢力が現地人やSNS上のインフルエンサーを利用して政府批判キャンペーンを行う動き――を招くリスクがあることも認めた。
バリなど観光地への影響を懸念する声に対し、移民局は「観光の価値を守るための措置」だと説明。マナーやルールを守らない“質の低い観光客の受け皿”にはしないとし、地域経済に好循環をもたらす「質の高い観光客」を選別的に受け入れる方針を強調した。この発表はバリに限定した措置ではなくインドネシア全土を対象とするものだが、外国人が多いバリの不動産取引やビザ運用にも今後影響が及ぶ可能性がある。
考慮すべき事項
バリを含むインドネシアで不動産や土地の取得を検討している外国人は、偽装結婚や名義貸しなどの違法スキームを利用しないこと。合法的な保有形態(HGB・リース契約等)を弁護士や公認の不動産専門家に確認し、契約書類を必ず保管すること。また、ビザや滞在資格に関する規則を最新の状態で確認し、現地の法律・マナーを尊重した行動を心がけることが、今後の入国審査や滞在更新において重要になる。