バリ島タロ村、消えゆく「聖なるホタル」を取り戻す保護活動
バリ島ウブド近郊のタロ村では、観光開発や農薬使用、光害によって激減したホタルを取り戻すため、インドネシア初の「ホタル保護ハウス」が繁殖・環境再生活動を続けている。見学やエコツアーも可能で、訪問者はホタルの生態と地域文化の関わりを学べる。
バリ島ウブド近郊の古村タロでは、かつて夜の田園を彩っていたホタルが、気候変動・急速な観光開発・化学農業・人工照明の影響で姿を消しつつある。地元出身のイ・ワヤン・ワルディカは2018年、実家の敷地を改装し、インドネシア初の「ファイアフライ・コンサベーション・ハウス」を設立。生物学者チームが生息域調査や人工繁殖、幼虫飼育などを行い、これまでに数千匹の幼虫を周辺の管理区域に戻してきた。
バリ・ヒンドゥー文化において、ホタルは祖先の魂を宿す神聖な存在とされ、「人間・自然・神々の調和」を象徴する。保護活動は信仰と生態学の両面から支持されている。
施設では地元農家に化学肥料・農薬を使わない「環境再生型有機農業」への転換を呼びかけ、自家製堆肥や天然殺虫剤を提供。これまで4軒が転換済みで、将来的には研究施設周辺2キロを「合成化学物質ゼロ区域」とすることを目指している。
同施設はエコツーリズムの拠点としても機能し、観光客はホタルの生態や瓶詰めされた幼虫の観察、夜間にホタルを野外に放つ体験などができる。観光収入は保護活動の資金源にもなっている。
考慮すべき事項
バリ島旅行の際は、タロ村の「ホタル保護ハウス」への見学ツアーに参加すると、文化と自然保護の両面を学べる貴重な体験になる。訪問時は施設の指示に従い、フラッシュ撮影や強い光の使用を避け、野生のホタルや幼虫には直接触れないこと。また、地元の環境再生型農業で作られた産品を購入するなど、持続可能な観光を支援する行動も推奨される。
情報源: 朝日新聞GLOBE+