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観光・イベント公開日: 2026年8月12日

バリ観光の新潮流「リジェネラティブ・ツーリズム」とは 〜プンリプラン村の教訓〜

ウダヤナ大学の観光学博士トリスノ・ヌグロホ氏が、バリの人気観光村プンリプランを研究し「リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」の概念を提唱している。単に環境や文化への悪影響を減らす「持続可能な観光」から一歩進み、観光が地域社会・文化・自然を積極的に回復・強化する仕組みが必要だと指摘する。

バリ・バングリ県のプンリプラン村は、清潔な村並みや竹林、伝統的な家屋、強いアダット(慣習)の価値観で知られ、バリを代表する観光村の一つとされている。しかし人気の高まりとともに、訪問者数の増加、混雑、廃棄物処理の負担増、竹林や遊歩道・緑地への圧力、伝統的価値観の過度な商業化のリスクなど新たな課題も生じている。

ウダヤナ大学のトリスノ・ヌグロホ博士(元インドネシア銀行バリ・ヌサトゥンガラ事務所長)は、この事例を研究し「リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」という概念を提唱している。これは従来の「持続可能な観光」が『被害をどう抑えるか』を問うのに対し、『観光がその土地をより健康的で強く、生き生きとしたものにできるか』を問う考え方だという。

同氏は研究をもとに「REGENESISモデル(インドネシア語での6Mモデル)」を提示。(1)環境・文化・社会の回復(2)観光地の受容能力の保護(3)地域への利益拡大(4)文化・地域社会の強化(5)関係者間の連携(6)継続的に学習・評価する仕組みの構築――の6要素からなる。

また同氏の研究では、地域住民が観光の意味・利益・リスク・責任を深く理解している場合ほど、村の保護や発展への主体的な参加が進むことが分かったという。一方で、地域住民の参加だけでは自動的に環境が回復するわけではなく、廃棄物管理や竹林保全、訪問者数の管理などには明確な仕組みと継続的な取り組みが必要だとも指摘している。

この考え方は、海岸の村や農村、都市の歴史的地区など、バリの多様な観光地にも応用可能だという。同氏は「バリは既に世界的な観光地となったが、有名であることだけでは不十分。生きた文化的景観であり、住民の暮らしの場であり続けることが重要だ」と述べている。

考慮すべき事項

プンリプランなど人気観光村を訪れる際は、指定された遊歩道や見学エリアを守り、竹林や住宅への立ち入りルールに従うこと。ゴミは持ち帰るか指定の場所に捨て、村の生活空間としての性格を尊重し、住民の許可なく家屋や祭祀の場を無断で撮影・立ち入りしないよう心がけたい。地域が用意するガイド付きツアーを利用すれば、料金が地域社会に還元されやすく、文化への理解も深まる。

情報源: Atnews