バリ経済は5.78%成長も、住民の購買力は物価高で圧迫
バリ州の2026年第2四半期の経済成長率は前年比5.78%と好調だったが、地元大学の専門家は、ホテルやヴィラ建設・不動産投資主導の成長が必ずしも住民の実質的な購買力向上につながっていないと指摘。地価・生活費の上昇が背景にある。
デンパサール発、NusaBali紙によると、バリ州経済は2026年第2四半期に前年同期比5.78%の成長を記録した。しかし、Warmadewa大学のプトゥ・グラ・スヤトナ・ヤサ博士は、この成長率だけでは州全体の生活水準向上を意味しないと指摘している。
同博士によれば、バリのGRDP(地域内総生産)成長はホテル・レストラン業、ヴィラ建設、不動産投資などに支えられているが、その経済的付加価値が必ずしも地元住民の所得や購買力の増加として反映されるわけではない。実際、観光業や外国資本による投資の拡大は土地・不動産・住宅価格の上昇も同時に招いており、地元住民の生活コストを押し上げている面がある。
インフレ率は2026年7月時点で前年比2.42%(6月は3.27%)と推移。最低賃金(UMP)は2024年の281万3千ルピアから2025年に299万6千ルピア、2026年には320万7千ルピアへと上昇したが、生活費の上昇を考慮すると名目賃金増加が実質的な生活向上につながっていない可能性がある。
一方、ジニ係数(所得格差の指標)は2026年3月時点で0.342となり、2025年3月の0.353、2021年3月の0.378から改善している。ただし同博士は、ジニ係数は「支出の不平等」を測るものであり、各世帯の実際の生活必需品を満たす能力を直接示すものではないと注意を促している。
また雇用の質についても言及があり、雇用者数の増加が季節労働・契約労働・低賃金労働中心であれば、失業率の低さだけでは経済発展の成功を測る指標として不十分だとされる。農業やUMKM(中小零細企業)についても、観光・投資の急成長による経済的恩恵が自動的に波及していないとの指摘がある。
同博士は、バリの繁栄度を測るには成長率だけでなく、インフレ、実質所得・実質賃金、1人当たり実質支出、貧困率、雇用の質、所得格差などを合わせて見る必要があると結論付けている。
考慮すべき事項
バリ在住の外国人は、地価・レンタル料金や日用品価格が観光・投資ブームにより上昇傾向にあることを踏まえ、長期契約(住居・ヴィラ賃借等)の際は複数年の価格動向を確認し、現地の生活費上昇を前提に予算を組むことを推奨する。ビジネスを行う場合は、地元スタッフの賃金・雇用形態が季節労働・低賃金に偏っていないか確認し、公正な労働条件を維持することが望ましい。観光客は、物価上昇がホテル・レストラン価格にも反映されている可能性があるため、事前に最新の価格情報を確認すると良い。
情報源: NUSABALI.com