バリ島、外国人観光客・移住者への規制強化 ランニングクラブ騒動でオランダ人2人が入国禁止に
バリ島チャングーで人気の「サイレントディスコ・ラン」を開催していたランニングクラブ「アントラージュ・バリ」が、地元応募者への差別疑惑や騒音問題で批判を浴び、関係するオランダ人2人がインドネシア入国管理当局により入国禁止処分となった。背景には、観光客急増に伴う外国人の振る舞いをめぐる摩擦や、当局による国外退去処分の増加傾向がある。
バリ島南西部の観光エリア、チャングーで人気の「サイレントディスコ・ラン」を主催するランニングクラブ「アントラージュ・バリ」が、7月にソーシャルメディア上で地元応募者への差別疑惑を指摘され、大きな議論を呼んだ。早朝に大人数で騒々しく走る様子や、光るヘッドホンを着けたランナーが道いっぱいに広がる動画がネット上で拡散し、Redditには500件以上のコメントが寄せられるなど反発が広がった。
これを受け、インドネシア入国管理当局は7月24日、同クラブに関係するオランダ人2人の入国を禁止したと発表。2人は7月23日にすでに出国しており、再入国は認められない。当局は主催者に対するさらなる調査も命じている。
この一件は、観光地バリ島で外国人が現地の法律や習慣を軽視したとして問題視される事件が近年相次いでいることを象徴する出来事となった。2023年には寺院での儀式を妨害し裸になったドイツ人観光客が逮捕され、2025年3月にはヒンドゥー教の静寂の日「ニュピ」を侮辱する投稿をしたスイス人観光客が逮捕、4月には交通警官に詰め寄ったイタリア人男性が国外退去となっている。
バリ州上院議員ニ・ルー・ジェランティック氏は「インドネシア人は海外に行けばルールに従う。バリを訪れる外国人にも同じことを求めるだけだ」とコメントしている。統計では、2026年1月から6月の間に342人の外国人が国外退去処分となっており、2023年通年の335人、2024年の最初の9カ月間の378人と比較しても、取り締まりが継続的に強化されていることが分かる。
年間約700万人の外国人観光客が訪れる人口約450万人のバリ島では、デジタルノマドの急増に伴い、コワーキングスペースやウェルネスコミュニティ、ランニングクラブなど新たな外国人コミュニティが形成される一方、土地価格の高騰や地域の変容も進んでいる。
考慮すべき事項
バリ島で活動するランニングクラブやコワーキンググループなどのイベントに参加する際は、早朝や住宅街での騒音・交通妨害を避け、地元住民の生活への配慮を心がけること。寺院や宗教儀式に関わる場での服装・行動規範(肌の露出を避ける、儀式を妨害しないなど)を事前に確認する。ビザの種類(観光ビザ・リモートワーカービザ等)に応じた活動範囲を守り、就労や営利活動が認められない場合は控える。SNSで現地の宗教行事(ニュピ等)を侮辱する投稿をしないこと。万一入国管理当局から連絡があった場合はパスポート・ビザ書類を速やかに提示できるよう準備しておく。