バリ島のランニングクラブ「差別」騒動、オランダ人主催者2名の再入国禁止に発展
バリ島の人気ランニングクラブ「Entourage Bali」がインドネシア人の参加申請を拒否したとの疑惑をきっかけに、インドネシア移民局が調査に乗り出した。同局は主催者のオランダ人2名について、外国人が滞在許可の範囲を超えた活動を組織したとして再入国を禁止したと発表した。他の人気ランニングクラブも活動を一時停止するなど、外国人コミュニティ全体に波紋が広がっている。
事の発端は、バリ島の人気ランニングクラブ「Entourage Bali」に対し、インドネシア人の参加申請が拒否される一方で外国人は受け入れられていたとするSNS投稿だった。やり取りのスクリーンショットが拡散し、差別疑惑が急速に注目を集めた。
7月24日、インドネシア移民局は、同クラブが主催したサイレントディスコ形式のランニングイベントに関与したとして、オランダ国籍の2名(頭文字JAS、HQV)の再入国を禁止したと発表した。両名は7月23日にすでにインドネシアを出国していたという。
移民局トップのヘンダルサム・マラントコ氏はジャカルタでの記者会見で、当局は同イベントが移民規則に反していると判断したと説明。外国人は自身の滞在許可の範囲を超える活動を組織することは認められておらず、「このランニングクラブは『国家の中の国家』として機能していたとみなす」と述べた。同氏はバリの移民当局に対し、主催者の調査と規則違反が確認された外国人への対処を指示したとしている。
Entourage Baliはインスタグラムで、「不快な思いや傷ついた気持ちにさせた」ことを謝罪し、差別の意図はなかったと説明。WhatsAppグループの自動承認プロセスにミスがあり、一部(全部ではない)のインドネシアの電話番号が誤って拒否されたとした。同グループは7月22日のイベント参加者94人のうち22人(約23%)がインドネシア人で最大の国籍グループだったとするデータも公表し、当面すべての活動を停止すると発表した。取材依頼への回答はなかった。
これを受け、Rise Run BaliやFar Ubud Run Clubなど他の人気ランニングクラブも一時的にイベント休止を発表。バリ州選出のニ・ルー・ジェランティック上院議員はインスタグラムで「バリはウェルカムな島だが、私たちのもてなしを軽視する免罪符と誤解されてはならない」と投稿し、主催者側からの謝罪があったことを明かしつつも、責任を取って対応すべきとの立場を崩していない。
この一件は、2025年に約700万人という人口を上回る外国人観光客を受け入れたバリ島で、外国人の役割をめぐる議論が高まる中で起きた。バリ移民局は今年1〜6月だけで342人の外国人を国外退去処分にしており、2024年通年の378人、2023年通年の335人と比べても摘発が強化されている傾向がうかがえる。バリ州知事も今年、外国人観光客向けの新規則を導入し、違反疑いをWhatsAppの公式ホットラインに通報するよう呼びかけている。今年4月にはイタリア人男性が交通警官との暴行動画が拡散し国外退去処分となったほか、5月には移民法違反容疑の外国人62人が3週間の作戦で拘束されるなど、同様の摘発が相次いでいる。
考慮すべき事項
バリ在住・滞在中の外国人は、自身の滞在許可(ビザ種別)で認められている活動範囲を必ず確認すること。特にランニングクラブやコミュニティイベントの主催・運営に関わる場合、営利・非営利を問わず滞在許可の範囲外の活動とみなされるリスクがあるため、現地の移民代理人や弁護士に事前相談することを推奨する。イベント参加者の募集・選考においては、国籍による差別的な取り扱いを疑われないよう、明確で公平な基準を明文化し、記録を残しておくこと。今後同様の摘発が強化される可能性が高いため、SNS上での発言やグループ運営についても慎重な対応が求められる。
情報源: Business Insider