バリ州知事、観光依存脱却へ経済多角化を強調 南北格差も浮き彫りに
バリ州のコスター知事は、デンパサール・バドゥン・ギアニャールの3地域に経済活動が集中し、他の6県との税収格差が大きいと指摘。観光が州経済の66%を占める過度な依存状態の是正に向け、有機農業や国産ニンニク生産の拡大など多角化策を進めると表明した。
ナサバリ紙の報道によると、バリ州のワヤン・コスター知事は、デンパサール・バドゥン・ギアニャールの南部3地域と、他の6県(タバナン、ジュンブラナ、ブレレン、バングリ、カランガスム、クルンクン)との間に大きな経済格差があると改めて指摘した。南部3地域の地方税収(PAD)は約10.9兆ルピアに達する一方、他の6県は合計でわずか約2.3兆ルピアにとどまる。
この発言は2026年10月2日、デンパサールのニティ・マンダラにある州知事公邸で行われた、インドネシア国会(DPR RI)予算委員会(Banggar)の視察時になされたもの。コスター知事は、この格差が南バリへの観光活動の集中と密接に関連していると説明し、新たな経済成長の拠点を育成する必要性を訴えた。
2025年の外国人観光客数(空路)は705万人に達し、国内観光客を含めると総訪問者数は1630万人に上った。バリの観光収入は約176兆ルピアで、インドネシア全体の観光収入(約319.9兆ルピア)の55%を占める。バリの経済成長率は2025年に5.82%を記録し、インドネシア国内で5番目に高い成長率となった。
しかし知事は、バリ経済の約66%がホテル・レストラン関連産業(中小零細企業を含む)に依存しているという構造的な脆弱性を強調した。「観光が好調なら経済も自動的に好調になるが、コロナ禍のように観光が不調になれば経済も悪化する」とコスター知事は述べた。
多角化策としては、バリの6万4000ヘクタールの水田のうち約70%がすでに有機農法を導入しており、2028年までに全水田での有機農法普及を目指す。さらに、現在輸入に大きく依存しているニンニクについて、国内生産拡大のための数千ヘクタール規模の農地開発を呼びかけている。
国会予算委員会副委員長のシャリエフ・アブドゥラ・アルカドリ氏は、2026年第2四半期のバリの経済成長率が前年比5.78%(前期5.58%から上昇)で、全国平均5.29%を上回ったと指摘。一方で宿泊・飲食業はバリの域内総生産(GRDP)の21.91%を占め続けており、観光依存からの脱却と経済の強靭化が引き続き課題であるとした。
考慮すべき事項
この発表は直接的な渡航制限や規制変更を伴うものではないが、バリ経済が観光に強く依存している現状を踏まえ、観光客・在住者は今後、南バリ以外の地域(タバナンの農業体験やブレレンの北部観光地など)での新たな観光振興策や料金体系の変化に注目しておくとよい。長期滞在者や投資を検討する人は、州政府が推進する農業・地場産業振興の動向が今後の地域開発や土地利用規制に影響する可能性がある点も念頭に置くことを推奨する。
情報源: Bali Discovery | News on Bali Tourism & Life Since 1998